2010年7月2日金曜日

アイドル評論(26)田辺あゆみコンプレックス



2010年現在のニッポンに置ける、アイドル「評論」ムーヴメントの最重要中心人物の1人と言って差し支えないであろう、Rhymestar宇多丸先生が提唱する「モデルハウス」。

要は、最高にフォトジェニックで魅力的なネエちゃんが、ハイクオリティーなダンスミュージックをやってのけると言うメソッド。

「ガーリー」ムーブメントともクロスオーバーしそうな中、あえて「クール」という切り口で語るならやはりその筋のフラッグシップである片瀬那奈
そして意識的か無意識的かはさておき、断片的にであってもそんなKATASE ISMを取り込むフォロワーたち=鈴木亜美、MiChi、そして後藤真希らという現行のモデルハウス最前衛をひた走る「現役」を抑えつつ、この路線のルーツを辿ると、ある作品、ある方にブチあたるコトに気がつきました!

それこそが、遡るコト12年前、1998年のハプニング、テイ•トウワ×田辺あゆみ奇跡のフュージョンっ、「Butterfly」なのでした!


あえてここで語るのも野暮ですが、田辺あゆみちゃんと言えば、10代の頃よりその魅力的なルックスとスタイル、カリスマ性を持ってして
CMや雑誌媒体はもとより、パリコレクションでも大活躍するなどした、超一流モデル。
今なおカリスマと崇められてもいたり。
ちなみに旦那様は、アイドル写真集仕事でも、頼んでもいないのに持ち前のアーティスト性を発揮する藤代冥砂氏。
余談ですが、夫婦コラボによって発表した、独り身へのあてつけのような多幸感満載の写真集「もう、家に帰ろう」もバカ売れしましたねえ。

そんな彼女が1998年、TOWA TEIからのお誘いにより、彼名義のシングルである
「Butterfly」にボーカリスト兼ヴィジュアル担当的ポジション、言わば、TOWA TEIのミューズとして音楽界に殴り込みをかけました。ちなみに作詞も手がけていたりするみたいっ。

モデルが歌手デビュー、というのはこの2010年に置いては常套手段どころか
モデル→タレントへのステップアップとしての方法論となりつつあるようで、
その舐めた態度に苛つく輩も多い昨今、当時としては実に斬新で画期的だったという以上に
現代の所謂赤文字モデルとは一線を画すこのカリスマがやってのけた、というのも魅力的。

タレントとしての寿命の面だけを考えての、覇気のない歌手活動とは一味も二味も異なる、
スターだから許されるお遊び!そこをこそ評価しつつ、そこにこそ「アイドル」的なキラメキを感じるばかりっ!(その意味では、Rinkaはココ寄りですかねっ!)
そもそも、彼女にモノホンのスキルなど求めてない訳ですが、「歌もの」と括るのも躊躇われるドラムンベースがメインなサウンドプロダクションの中、申し訳程度のボーカルが逆にとっても気持ちよい。

あえて生身な感触を排除した空気感は今もって2010年の耳でも、フレッシュさは損なわれていないでしょう。
これこそあえて語るのも野暮な、TOWA TEIのパーフェクトな職人技の見事さっ!

折しも、1998年と言えば歌姫ブームの兆候とモーニング娘。らの珍妙な奮闘。
2000年代のカオスを目前に控えた、中々の最盛期。
一方それとは無関係な聖域的な場所で、アグレッシブかつ華麗なる音楽的ミラクルを巻き起こしたテイ&田辺!その辺も素晴らしい。

ミスフォトジェニックとでも言うべき田辺、
当然のように完璧なアートワークにも最大級の賛辞を贈ります!
こちらは、×TYCOON GRAPHICSによる化学反応。大好きです☆

ちなみに上記の映像はオフィシャルなPVではないみたいですが。。
(確か一度どこかで拝見した、「クイーンアミダラ」的なファッションのあれがそうなのかも知れません、情報不足でスミマセン。。。)

それはさておき、
是非、エレクトロ〜テクノポップが市民権を得た今こそ注目すべき一作ではないでしょうか?

さてTOWA TEIと言えば、ある種「本家」のKylie Minogue先輩と一戦交えてるのも特筆すべきですが。。


さらに付け加えるならば、ある意味、featuring 田辺あゆみの件以上に
それよりももっとスマートかつナチュラルな形で「新時代のアイドル」をディレクションしたという意味でやはり、AYUSE KOZUEの成功は注目すべきでしょう。


(2006年4月リリースのTOWA TEIプロデュースによるシングル「Boyfriend」)

勿論モデルハウスという呼称自体知る由もないでしょうが、それでも彼の
散発的なモデルハウスの系譜の最先端が彼女なのは明白っ。

「アイドルポップ職人」としても期待してまっす!テイ•トウワ!