2010年5月11日火曜日

アイドル総力特集(2)今あえて再評価!SPEED勢ソロワークス•コンプレックス!(第一回)



そもそもは、2010年5月現在の最新シングル「ヒマワリ-Growing Sunflower-」が
あまりにも、とるに足らない凡庸な「前向き応援ソング」だったコトに対して
何だか言いようのない憤りを感じたコトから発案した特集でした。
と、軽い毒舌での書き出しとなりましたが、
各々のソロワークでの経験を積んで大人になった彼女たちが今歌うべきうたってのが
こんなヌルい穏当なレベルじゃ困ります!っていう本音もある訳です。
あたかも、空白の期間を帳消しにするような全盛期の「あの頃」と地続きのような
このアプローチが、どうにも生ぬるく感じてしまうのはボクだけでしょうか?

そこで、キャッチーさは水準としてキープしつつ、
実験的な試みもアクターズスクール仕込みのガッツでトライアルして見せた
ソロ時代のそれぞれの作品群こそ、あえてここで語られておくべきコトな気が!

ただし、2008年のシングル「あしたの空」を持っての本格復活を遂げて以降、
マイペースながらリリースしたシングル、アルバムが全てトップ10ヒットを記録し
武道館ライヴも成功を収めて!と、まぁ、一応の「軌道修正」を果たし
この2010年現在に置いてもSPEEDが受け入れられ、
幸福な活動をおくれる土壌が出来上がったように見えてもいる訳ですが、
それでも「大成功を収めた」とは言い難いセールス的部分と反比例する形で、
前述「ヒマワリ」と比較するまでもなく
音楽的強度というのがキチンと備わった非常に覇気のある名曲たちを
ドロップしまくってたソロ時代が、いよいよ過去のモノになるのは惜しすぎる!

といった所で、埋もれ気味なhiro、今井絵里子(Eriko with Crunch)、上原多香子、
HITOE′S 57 MOVEのそれぞれの一押しナンバーを今一度ご紹介すると共に
こんなチンケな文章の無意味さは100も承知で、それでも
ソロ活動で積み重ねて来たコトにはキチンと意義があったコト、
そして、アナタ方のこういう側面を今なお期待してる層もいるというメッセージを
ガツンと託したいという試みとしての総力特集、お送りしたいと思います!!

★hiro編


ソロとして最も成功を収めたと言って差し支えないであろう、hiro。
リリースペースも圧倒的で、特に2002年には4ヶ月という短期間に
シングル3枚、アルバム1枚をリリースするという加速ぶり!
それに伴って名曲量も多く、彼女が最も幸福なソロ活動を送ったと言えるでしょう。

その後w-inds.や、EARTHなどへの楽曲提供で名を馳せるコトとなる
D-LOOP葉山拓亮を全面起用した「Treasure」「Your innocence」あたりで、
適度にイメージチェンジを計ると共に、葉山氏がメロディーメイカーとして
最も旬な時期だったかのように力の入った楽曲にも恵まれヒットを飛ばします。

この葉山氏、作風の特徴を雑にまとめると、
80年代〜90年代のJ-POP畑のライター•ミュージシャンのおいしいトコを凝縮し
手堅くキャッチ—かつドラマティックなメロディーラインを作り上げてっていう感じで
その手堅さを「安心」ととるか「退屈」ととるかで好みが分かれそうな方なんですが
この当時の、ちょっとだけ大人になった彼女には(伊秩作品〜のマイナーチェンジと言う部分も含め)
かなり高いレベルで合致している印象で、好感!


ただし多感なhiro、このレベルのダンスポップじゃバランスが取れなくなるのも時間の問題なぐらい
驚異的なペースでシンガーとしての成長を遂げて行きます。
そのコトは彼女自身が最も理解していたようで、自らの意思で
後に中島美嘉や安室奈美恵などへの楽曲提供でも注目されるコトになるCOLDFEETのLori Fineへ
コラボレイトのオファーを持ちかけたとのコト!寛子、センス良い。

2002年発表の2nd ALBUM「Naked and True」収録曲において早くもそれは実現!

「ME AND YOU(riding waves)」

不規則的に打ち込まれたビートが全編に効いたダウナーなダンストラック!
正にCOLDFEET印品質なアップリフティングでありながら品のよいクールな世界観。
全英語詞を器用に乗りこなし、Lori嬢のコーラスワークとセクシーに絡み合う
hiroのヴォーカリゼーションもナイス。

hiro×COLDFEETというチャレンジは、見事な結果を弾き出しここでの功績は
続くシングル「Baby don′t cry」のクオリティーへと、
もう理想的なカタチで実を結ぶのでした。


リリースされた時期が春だったコトもあって、そんなスプリングムード全開の、
思わずウキウキなサウンドメイキングが最高に気持ちいい。
シンプルかつ単調に感じるメロディーラインも実は非常に繊細な作り込み。
hiroも抑えたボーカル表現を選んでおり大正解っ。
派手さはないのにこんなにも華やかで、本格ダンスとラックとしても、アイドルポップとしても
両側面で大合格点となっております。


Tycoon Graphics×蜷川実花によるジャケットのアートワークの素晴らしさ、
カップリング「sunlight」のタイトル曲にも負けない完成度、
トータルでは個人的に彼女の最高傑作と感じてもおりマッス☆

またカップリングにはもう一曲、world's end girlfriendによる
より歌もの色を抑え、手数少なめの音色が原曲の繊細さをより際立たせた
好リミックスも収録されております。コチラもおすすめなので機会があればゼヒにっ!

こうしてクラブミュージックよりの人選と共にジャンルをクロスオーバーし始めたhiro、
そんな彼女のソロワークスを語る上で欠かせないのが
「coco d′Or」名義でジャズのスタンダードに挑戦した変名プロジェクト。


この名義では2枚のアルバムを残しており、COLDFEETをはじめ
Fantastic Plastic Machine島健、須永辰緒、福富幸宏等なんともゴージャスな布陣とも渡り合っています。

ジャズに関して勉強不足で恐縮なので、多くは語りませんが
彼女の高音の伸びの気持ちよさと、意外と有機的な声質に改めて気づかされたコトはデカい収穫だったし
単純にこの突き抜けるような気持ちよさこそホンモノでしょうっ、そこは評価しておきたい!


ただしコレを助走に!とはいかず、この後数年はソロとして幸福な期間は終わり
セールス的にも、また楽曲的にも恵まれない時期が続きます。。。。


復活を遂げたのは2006年のシングル「ヒーロー☆」。
loves COLDFEETの頃からの落差は確たる者でしょうが、これぐらいポップスに寄ったダンスナンバーも
彼女らしいコミカルさが際立っていて異彩を放つ佳作です。
山本領平(現Ryohei)が作詞及びコーラスに参加しており、ここでの絡み合いも聴き所!

しかし、タイトル曲以上に個人的一押しなのがカップリング収録の「Spring」!
これも哀愁漂いつつキュートなダンスナンバー、hitomiなどにも提供経験のあるAVANT GARDEを全面器用の一曲。
前述の名曲「Baby don′t cry」にも通ずる塩梅で、透明感を感じさせるボーカルアプローチも見事。
お聴かせ出来ないのが超〜残念っ!


そしてhiroは一旦ベストアルバムを持ってソロ活動を総括。
不安と期待が入り交じった中待ったシングルがまた強力作だったのだ!


デビュー曲であり名曲の「AS TIME GOES BY」を彷彿とさせるような
哀愁と、弾けた要素の融合を感じさせる感涙のミディアム。
ちなみに、主演映画「バックダンサーズ」の主題歌でもありましたね。

この楽曲の肝はやっぱ、これがhiroじゃなければ、こんなに滲みないっていうコト!

とにかく若くしてショービズ界へ飛び込み、SPEEDとしてスターダムへ掛け上り大活躍したその影で
きっと想像も絶する苦労もあったコトでしょう。。
それでもなお、未だに明日へ向かって成長を続ける彼女の姿に
「夢」だのなんだの語る権利は彼女のためにこそあるモノだ!という思いが込み上げるばかり。
要は、その言葉の重み=説得力の強さに感極まるという。

今の所、ソロとしてはラストシングルとなっている事情も思うと、ことさら泣けてくるみたいな。
そういう歌い手にリンクさせるべき「応援歌」というアプローチ。
件の「ヒマワリ」に決定的に欠けていたのはそこではないでしょうか?

と言った訳で、hiro名曲多すぎ!
コレから書いてく予定の残りの3人に失礼なぐらいの長文となりましたが。。。

つづく。



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