2010年5月19日水曜日

アイドル評論(16)4minuteコンプレックス



4分間で世界を魅了する “4 minute” 。
韓国発の最新型パワーアイドルが日本のアイドルポップシーンをも活性化っ!
日本の箱庭アイドルたちもウカウカしてられませんよっ!

と、言う訳で、アイドル評論 featuring 4minute!!


この4minute、韓国では2009年にデビューした、全員90年代生まれのガールズ5人によ
ヴォーカル&ダンスグループ。中にはこれまた本国でも大人気だった
Wonder Girls」というユニットに所属していたメンバーも組み込まれていたりします。
まあ、簡単なプロフィールはWIKIをチェックして頂くとして。。

そんな彼女たちが今年5月に上述の、シングル「MUZIK」で華々しく日本デビューを果たしました。

彼女たちの凄さは、このクリップだけで十二分に理解して頂けるでしょうが、
エンターテイメントに置いて外に対してはかなり「開いた」対応を求められるここ日本に置いて
記憶に新しい黒船リアディゾンの襲来と比較するまでもなく、
これはかなりビビるべき事態ではないでしょうか?!

アイドル評論(12)GIRL NEXT DOORコンプレックス」を一読して頂けると話は早いのですが
そもそも、「アイドル」という呼称が忌み嫌われ「歌って踊る」コトそれ自体が
「媚びているようで、ダサイ」=早い話が「自意識がない」みたいで、というような解釈。

それに対して、韓国のポップス市場というのは恐ろしくハイレベルな
ーそもそも歌って踊れるのは必要最低限のスキルで、
プラス、それこそ4分間で自分自身の魅力を見る側に植え付けられるだけの
エンターテイメントスキルが求められ、早い話がJ-POPなんかよりずっと欧米型なソレが絶対不可欠という
非常に「熱い」モノがあるようで、
それは、他国出身のシンガーとしては前代未聞の成功を収めただけでなく
日本の同世代シンガーを多いに焦らせる程の「ホンモノ指向」をアピールした
BoA一人とってみてもわかるでしょう!

ハードなレッスンに裏打ちされたパフォーマンススキルだけでなく
ほぼ完璧に日本語能力を身につけた、そのエリートぶりは今考えてもセンセーショナルだし
いい言葉じゃないケド、そもそも「スペック」が違うと!

SPEEDの解散によって、終わりかけた沖縄アクターズスクール的アティチュードのトレンドも
BoAこそがよりブラッシュアップされた「歌って踊れる」
(外タレではなく、あくまで)「J-POPシンガー」としてこそ
成功したコトが驚愕すべき事実!
彼女が、日本の音楽の閉じた市場に半ば見切りを付け、自らの戦闘能力をアメリカへ試しに行ったのは
必然の流れ!

それでいて、日本人ってどこか「外国人タレント」をわけも無く有り難がる傾向というのがある気がします。
それこそが先に挙げた外に対しての「開いた」対応という、過度な開国意識。
音楽に関して言えば、さらにそこでの「輸入モノ」を強かに取り込んで行くJ-POP市場の貪欲さ。

こういう循環はすっかり根強くシステム化しているように思います。

上述した「現行J-POPシーンに置けるアイドルという概念」が根強い昨今、
日本人なら「アイドルと呼ばれたくないから」出来ないコトが、
「ガイジン」であるというたったそれだけを1クッションとして(一種、ひとつのキャラクターとして)
見るコトで、「こういうモノ」として受け入れる。
そして、「外タレコンプレックス」によって、どこか「有り難い、高尚な」存在として
カリスマが作り上げられるのは、意外と容易い行為なのかもといっては過言?

それは「現行J-POP」と絶妙なズレがあるからこそでもあるのでしょう。
斬新「過ぎない」アプローチが。

。。。というのが、超個人的に思う、日本で成功する外タレの法則なのですが、
そこ行くとこの4minute、それらの法則をほぼ完璧にカヴァーした用意周到なデビューと感じさせます。


勿論、今後チャート上でBoA球の猛威を振るうかは今の所計り知れない訳ですが
それでもこうして、日本の若者〜果ては、「とくダネ」の小倉さんに至るまで
一定の評価をこの時点で得ているのは、すごいコトだし、脅威を感じるべき点。


そんなこの4minuteの躍進に対して、個人的に最も思う所というのが
「日本のアイドルには、どうしてこーゆーのが出来ないの?!」っていう怒りにも似た憤りでした。

この無遠慮なまでに刻み込まれたビートが縦横無尽に飛び交う、
バッキバキ、ゴッリゴリ、キラッキラのハードエッジエレクトロポップひとつとっても
Perfume以後、猫もしゃくしも「それ」的な意匠というのが入り込んで来ているシーンに置いて
「この手の音」が受け入れられているのは重々承知のはず!

それでもどこか保守的なJ-POPシーンにここまでのモノを歌謡曲として響かす
気概もパッションもないのだと思うと、超情けないっ!

さらには、コスチュームやヘアメイク、ミュージックヴィデオのディレクションどれをとっても
「ちょっとだけ新しい」アイドル像を垣間見せます。

誰とは言わないケド、一切のジョークもシニカルも排除した
懐古主義そのものと言えるアイドルミュージックが横行する現在の「閉じた」ヒットチャートのなか
これこそが2010年現在の、現在進行形アイドルポップだというのを見せてくれたのが
まさか、よその国の方だなんて!日本人としてどこか、やるせない思いでいっぱい。。

勿論、どこの国のナニジンが鳴らしてるサウンドだろうと、良いモノは良いし、
それをニッポンのシーンで響かせてくれいるコトには変わりないんでしょうが
これだけ円熟した文化のはずのニッポンのアイドルが、この体たらくじゃぁ。。。人情としてどうしてもね!

願わくば、コレを模倣でもなんでもいいから、
「J-POPでもこれぐらいのレベルはやっちゃって良いんだ」という考えのもと
やっちまってくれるコトを願うバカリ。

中田ヤスタカフォロワー勢も、そろそろ本気で「真新しい」ネクストレベルへ、
高みを目指しても良い頃なのではないでしょうか?

少なくとも新生Dreamは、この4minute現象に対してかなりビビっといた方がいいと思われます。


あと、この妙にガツガツ前に迫る「肉食感」こそ
ロリコン的な心理がうずまく日本の閉じたアイドル市場に置いて、
今最も得難いモノのひとつでしょう。

少なくともそこぐらいは見習っとくべきっ!




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