2010年6月9日水曜日

アイドル評論(19)黄色5コンプレックス


多少なりとも、ミラクルイヤー“1999年”の奇跡をお伝え出来たコトかと存じます。

振り返れば、キャバクラR&B歌謡「サマーナイトタウン」あたりでの成功を契機とし、
つんくの中に当初からあったであろうダンスサウンドへの憧憬が、選りすぐりの腕利きミュージシャン陣によって寄って集まって一気に実現したそれら名曲、名盤たち。
その1つの発展形を示した、言わずもがなのダンス★マン産ディスコ「LOVEマシーン」
そしてニューウェーヴなプッチモニ「ちょこっとLOVE」という2大金字塔を経て、
ネクストレベルへの希望と期待を残し、ほぼほぼ幸福な形で終焉した1999。

翌年、2000年からいよいよ、黄金期をむかえていくコトになるのですが、
1999の布石を早くもひとつの完成形として、ネクストレベルへ引き上げた
名曲にして名パフォーマンス、黄色5による「黄色いお空でBOOM BOOM BOOM」!

モーニング、太シス、ココナッツ、そして平家という当時のハロプロの顔ぶれの
良い部分をすべて抽出した結果としてのこのクオリティーは、
そもそも「シャッフルユニット」というアクションの意義をスマートに全うした
「物語」史上、最初にして最良の成果として、
語り継がれて行くべきモノであるのはもちろんのコト。

そして結果的に「音楽的にカッコいいハロプロ」を打ち出して行く、
そうした今となってはノスタルジーさえ感じる時代の重要資料として
広く記憶にとどめられておくべきでしょう!

という今回は、1999年特集の集大成であり、1999年というひとつの時代の
集大成でもある、このユニット、このナンバーをPICK UPっっ!


念のためメンバー構成の説明をしておくと。。。
モーニング娘。から安倍なつみ、及び保田圭。シスコムーンからはRuRu。
ココナッツからはアヤカ。そして平家みちよという5人編成。

基本的には当時の各々常設の活動において、グループの中心的存在かつ
個性的なヴォーカルを聴かせる実力派を揃えた強気なラインナップ。

まさにそれが、このユニットの持つ強度の勝因のひとつでしょう!

そして、それぞれがそれぞれの個性や武器をいかんなく発揮しつつ
普段は全開に出来ない部分、隠れた面を表現出来る場。
ボクが考えるシャッフルの在り方の大義名分にして最重要な課題。
それが軽々と成功されちゃってる点にまずビビるべき!

たとえば、当時はなかなか見えずらくなってた、なっちのちょっとエロい声とか!

その編も含めて、それぞれの個性がなかなかに高いレベルで折衷出来ているという、
最も幸福なシャッフルの形が見て取れるコトでしょう。

そしてそれは楽曲自体のサウンドにもみっちり現れています。

太陽とシスコムーンの、ちょっと下世話ででもシャープな部分。
ココナッツの、軽快、軽妙さ。モーニングのさわやかさ。そして平家のパワフルさ。
逆に言えば、たとえばシスコムーンには到底求め得ないファクターである
「さわやか」をこうしてお裾分けしてもらってる、と。
そういう化学反応がなんとも痛快な訳です!

元SPANK HAPPYの河野伸氏による、アレンジもやはり“99年”的。

ちなみに氏、初期〜黄金期のハロプロ、すなわち「幸福な時代」に置ける名曲の数々を多数手がけてもいます。今回も例にもれずGOOD JOB!
シスコムーンの諸作にも通ずる、古き良きダンスクラシックへの愛に溢れたオマージュ。

たとえば、当時の小中学生とそのお父さん世代が一緒に楽しめるような最高の構造。


EARTH,WIND&FIREを鮮やかに下敷きにしてみせた手腕と、その強かさ。
それに応えうる120%のスキルを発揮したメンバー5人にも、拍手っ!

ハロプロダンスクラシックスの中でも指折りの名作、是非ご堪能くださいっ!



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