2010年6月18日金曜日

アイドル評論(22)MiChiコンプレックス


言わずと知れたアイドル評論家•ライムスター宇多丸氏が提唱する
通称「モデルハウス」。
要は、フォトジェニックな魅力溢れるモデル級の美女=アイコンが、
最高にカッチョいいダンスミュージックを鳴らしちゃうという奇跡!
アイドルファンからコアな音楽マニアまでもを巻き込んで次世代のポップスターとしての輝きでシーンを絶賛席巻中のMiChi。
その意味では、まさしく2010年現在のモデルハウス最前衛を走る
この注目すべき逸材を今回はfeaturing!


サウンドメーカー松澤友和との出逢いを経て、2008年10月にシングル「PROMiSE」で華々しくメジャーデビューを飾った彼女。
それに続く「ChaNge the WoRLd」「KiSS KiSS XX」もタイアップも強かに絡め、
タイトル曲、B面曲は勿論、カップリング収録のリミックスやカヴァー曲に至るまで、一貫してすべてに置いて力の入った良い仕事を見せていきます。
サウンド的にも「Perfume以降」と括ってしまって大袈裟じゃないこのご時世に
まさに「今の耳」だからこそ耳馴染みの良いピコピコサウンドに、
ロック要素をミックスした「新鮮さ」の備えもぬかりなし、と。

楽曲のクオリティー以上に、この尋常じゃない完璧なバックアップのされ方にこそますは感心しました!


「ChaNge the WoRLd」PV、素晴らしすぎるっ!


勿論それは、そのバックアップに見合った楽曲の水準とパフォーマンスの魅力も勿論あってのコトですケドね。

そしてルックスはと言えば、ご覧の通り。
まぁ「美人」かどうかは個人個人のジャッジ次第といった趣ですが、
被写体として魅力的なのは間違いない所でしょう。強気な印象もいい塩梅。
声質にもそれは反映されていて、非常に野太い、それでいて滑らかないいお声を持ってらっしゃいます。個人的には割りとタイプ!

続く変化球「YOU」はここまでの流れから一転して音数少なめのバラッド。

そして彼女のファーストステージの集大成と言える、
2009年9月リリースのアルバム「UP TO YOU」は
当然これまでの同様、純度の高いポップエッセンスを散りばめつつも、
どこか散漫な印象も強く、荒削りな印象を垣間見せます。
それでもシングルで見せて来たイメージを、曲毎にその都度足し引きしたような、ベクトル的にはあくまで従来のキャッチーな魅力に溢れた仕様で、個人的にもお気に入りの一枚となりましたっ。

しかし見方を変えれば、小さく固ったようにも見えなくもなく、彼女にとって
この次のステップはどんなもんなのか?気にかかる点で有りました。

それは、アルバムリリースからおよそ半年後にリリースとなった
5thシングルが早くも一つの答えとしてはじき出されました。

それこそが賛否両論を巻き起こした「All about the Girls〜いいじゃんか party people〜」だったのです。


髪も切って心機一転して挑んだ本作は、ここ日本でも人気者となったスキャットマン•ジョンの代表曲をサンプリングしつつ、そこに日本語リリックが乗っかりそのリリックはと言うと
なんとあのDJ OZMAの手によって、発情する女子の心情を、キュートでありながら思っくそ下品にデフォルメされた描写で表現した、なんとも下世話な世界観!
そしてMiChi仕様のキラキラ〜ピコピコサウンドが全編にまぶされまくってるという、
もうほとんどカオスとしか言いようのないものすげえグルーヴ!

色んな限られたアイデアを思い切ってとりあえずぶち込んで見た末路というか。
でもそれでいて「確信犯的」とも思わせるのだから、やりたくてやったのはまず間違いないでしょう。
編曲者の名義も通常の“T.O.M MadNesS”から、“ScaT.O.Man”になってますし、完全悪ノリです。

風潮的には賛否の「否」のが過半数を占めるムードですが、個人的にはどうにも嫌いになれないんですよね〜!クセになるというか。
OZMA自身の諸作もそうですが、この手の楽曲に関しては「クセになる」っていうのが最上級の褒め言葉なのではないでしょうか。

それにしてもいきなり振り切ったな〜ぁ、MiChi。。吃驚。

でも、そうだよ!初期のようなポジティヴ一辺倒じゃ飽きられちゃうし!
「安心して聴けるポップス」も悪くないケド、安パイにいれられるぐらいなら、寧ろコアファンを、見る者を不安にさせるぐらいで丁度いいじゃない?!

雑誌「WHAT′s IN?」の評『下世話とスタイリッシュの境界線で高らかに鳴り響く会心作』その言葉がすべてでしょう!

勿論タレントとしての寿命云々も大事な問題だけども。。
そんな理由からなのか否かはわかりませんが、カップリングには定型通りの
キレイめポップチューン「dance DANCE!」が慎ましやかに収録されても居ます。
こちらは通常モードの佳作!

ただ個人的にはこんな「乱れた」「ヒドい」彼女をもっともっと期待したい所。
そんな声に応えてなのか、続くシングルはなんとthe telephonesとのコラボレイトが実現!って!


またもやカオス!MiChiのファンキーな側面と、バンドのニューウェーブ的アナーキズムが見事にシンクロ、高いレベルで化学反応が実現した超アグレッシヴなダンスロック。

そして、telephonesのもうひとつの魅力であるエモーショナルな部分もきちんとミックス!
なかなかにヤバいコラボレイトと相成りました。

さて彼女はどこまで行くのか。。なんかもうモデルハウスとすら呼び難い場所に行ってる感もありますが、注目すべきアイコンであるのは確たる事実!
突き進み続けるMiChiに今後も大注目っっっ!





0 件のコメント:

コメントを投稿