2010年6月18日金曜日

アイドル評論(20)AKB48コンプレックス


「アレ…?オレ今なんでこんなアイドル、
こんな楽曲に心動かされちゃってるんだろう…?」
ってな類いのセンセーションを感じたコトはありませんか?

そもそも歌の巧い下手だとかそう言った技術的な観点だけでは語れないジャンル—それがアイドルソングの魅力だろ!っとは思いつつ、ちょっと自分でもビックリする出会い。

僕もそんな風に出逢い、ファンにさせてくれた楽曲はいくつかあります。

でも、今まで頑に忌み嫌っていたアイドルのナンバーだったら?
なかなか穏やかじゃないでしょう!
そもそもブログまでわざわざ設けて、評論家気取りにレビューやっちゃってるアイドルコンプレックス、
「コレはこう。」っていう凝り固まって発酵しそうな個人的価値基準を強く持っているようなヲタ体質。
だからこそ、そう言う理屈をも超越した所で「好きだ!」と思っちゃった自分が
嬉しいやら恥ずかしいやら!

今回そんな出逢いをさせてくれたのが、元「AKB48」大島麻衣のソロデビューシングル
「メンドクサイ愛情」。


AKBが嫌いだった理由、そしてちょっとだけ好きになってしまうまでの過程を
聞きたくもないのは百も承知で綴りつつ、
それほどまでの原動力になった彼女の本作の魅力にも
言及して行こうと思います。

記念すべき!か、どうかはともかく、画期的な会になるコトは間違いない、
当ブログ初の、AKB48関連記事。


そもそもその懐古趣味的な武装と、宗教的と言ってしまって大方間違ってないであろう
ビジネススタイル。国民的という呼称とは裏腹なその、閉じた姿勢
—つまり「箱庭」としか形容仕様のない、リスナー(イコール、ヲタ)との付き合い方含めた、その在り方。
ソコに対する嫌悪感が確実なモノとして、僕の中には根強く存在していました。

それというのも、やはりいよいよ世間の関心度も下がる所まで下がったモーニングへの愛、
それに対してAKBの、カウンターというよりは寧ろフォロワーにしか見えない絵面への反感、
そう言うモノがそりゃもう強〜くありました。
そうそれらはあくまでもモーニング寄りの意見でした。
アイドルとしての構造からして違うAKBと比較すらしないでよっ!って。

AKBを今まで忌み嫌っていた個人的な理由というのは、その辺が大部分な訳です。

じゃあ音楽的にはどうかと言うと、これまたユニゾンが基本の、
早い話が「おニャン子」以降の束ものグループ的なアプローチを、
一切のシニカルもブラックジョークも抜きのトレース、言わば本気の懐古。
そもそも僕があんまり好まないスタイル、一言つまらない訳です。

一方、モーニングはと言えば、繰り返しああだこうだと語っているように
音楽的な面白さ、音楽的にコレがしたい!という気迫、そこにこそ惹き付けられた
自分のような人間によって支えられていたのが、少なくとも1999年〜2001年ぐらいまでの
モーニング一味。
DANCE☆MANを筆頭にした選りすぐりの腕利きミュージシャンによって
絵面こそおニャン子でありながら、アイドルダンスポップをネクストレベルへと引き上げた傑作揃い!!
引き換え、当時DoCoMoCMソングとして執拗に垂れ流された「桜の花びらたち」あたりを聴いただけで、もうわかった!早い話が「オレには関係ねえんだ」と。
そもそも耳から入ってくる情報、それだけのみで戦っていないような
すなわちルックスでしょ?っていう。
あと当時の地下アイドル的な佇まいにも引いちゃったり。

「無視」を決め込み、徹底的に冷戦の構えだった僕でしたが、
年々その存在感を増す彼女達。あえてハマるには魅力低めだけども
シカトを続けるにはその存在感はデカ過ぎる。

方や、右肩急降下でつまんなくなるハロプロ。(夏まゆみ先生も味方に取られちゃったし。。)
そしてそんなチンケな争いの傍らで、あざ笑うように
最先端の音楽的強度を誇るテクノ〜エレポップを武器に、
旧時代の芸能界的なやり口とは、違うプロセスでブレイクしたPerfumeもいたり。。

だたその間も「ロマンス、イラネ」「涙サプライズ!」「言い訳Maybe」と言った個人的にもグッと来た佳作もまま有り。
「懐古アイドル」というアプローチでも、そのベクトルをきちんと突き進め
煮詰めたような、それはそれで悪くない「強度」を散発的に見せ始めたのも事実な訳です。

今考えてみればやはりそこには「音楽的にコレがしたい」というアティチュードはあったのかも知れません。そこはアイドル「ミュージック」ファンとして
評価しておきたいです。

中でも「言い訳Maybe」はpv含め、素晴らしい力の入れよう。


ふせえりの小味の効いた芝居もさるコトながら、「総選挙」とリンクさせ、「競争」をメタファーにした自転車でのバトル。最前線を突っ走る前田の表情の凛々しさ。
AKBを取り巻くあらゆる要素が、ひとつのドラマとして非常に巧いコトまとまった一本ではないでしょうか?

なんだかんだ言いつつも、いつだってカウンターになるのは音楽としての面白さ。
それはココ10年だけでも、モーニング及びPerfumeが体現したコトがすべてでしょう。
ただし実力を魅力が上回る瞬間もあるのがこのジャンルの醍醐味、言い換えれば屁理屈が理屈に優る瞬間?日々めまぐるしく変わる自分自身の趣味趣向とも上手に付き合っていきたいなぁ、と。そしてじゃないと、折角良いものも聴き逃しちゃもんなぁ、とも!

AKBに関して言えば、それはまさに第一回の「総選挙」に置ける前田敦子の涙とコメント。
これは結構来ましたねえ。。


かつて福田明日香卒業ライブの時に味わって以来の胸を締め付けるあの感じ。この「青春」的なスピリッツの青臭さ、歯痒さ、可愛さ、格好良さに萌えたっ!

そして、コレに前後してリリースされたAKB•OG大島麻衣のデビュー曲の
なんとも言えない魅力にやられたのもデカイ収穫。

巧いのか下手なのか、可愛いのかそうでもないのか、性格良さそうなのか根性汚そうなのか
よくわからないあのルックスと、女の子のちょっとコワい部分な部分
を曝け出すライミングも面白い強気なリリック。
mihimaru GTあたりを彷彿とさせる、過剰に前向きでキャッチーなメロディー。
それらが交錯した世界観に何だか無視出来ない魅力を感じ、現在ヘビロテ中。

コレから先もっとファンになっていくかはわかりませんが、
音楽的に面白いコトをやってってくれるのであれば当分見守って行こうかなという気配。


そして最後に一言、モーニング娘。もっとがんばれよ。。。!!


なんだよ、コレ。。

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