2010年6月18日金曜日

アイドル評論(21)ERIKAコンプレックス


「寧ろ忌み嫌ってた」のに無視出来ないアイドル—AKB48をfeaturingした
アイドル評論(20)でしたが、「無視出来ない」レベルでは
今現在のエンターテイメントシーンに置いて、
当代一の無視出来なさを誇るこのお方、沢尻エリカ!
「たかの友梨」の新CMでのセンセーショナルな復活劇に続いて、
歌手ERIKAとしての音楽活動も奇跡の再開を計りました。
案の定と言うべきか物議を醸しまくりではありますが、彼女の音楽活動もまた個人的にはけして無視出来ないクオリティーを揃えられちゃってる訳です。
といったトコロで、 featuring ERIKAっ!


片瀬那奈を筆頭に、このブログを順序通りに読んでくださってる、賢明かつ奇特な同志の方ならすでに承知のコトかもと思いますが、個人的にはハウス、エレクトロ、テクノポップといったいわゆるクラブミュージックにキラキラしたサウンドが絡んでくる類いの
洗練された遊び心を感じさせてくれる音、それでいてアイドルミュージックならでわの歌謡曲感を「気持ち」で良いから配してくれてるようなサウンドに滅法弱い、それでいて歌ってる被写体がフォトジェニックなお姉ちゃんなら、もうホントそれ以上何も望まない!という趣向を持つ僕な訳です。

片瀬以外で挙げれば、鈴木亜美RINKA、最近の後藤真希(要は、SWEET BLACK)その他ブログ未登場ですが、リア•ディゾン杏さゆりのデビュー曲などなど!!
そのラインから言って、ERIKAは見過ごせないアイドルでした。

シングルA面曲で見せる微妙なポップロックにはちっとも面白みを感じないんですが、
2007年7月リリースのデビュー曲「FREE」収録のカップリングナンバー「FANTASY」、
この一曲のみで彼女への注目度は爆発的なモノとなりました、自分の中で。


そもそも彼女のパブリックイメージをこそ活かしたアプローチを模索した結果、
あえて別人格というふざけた設定を活かしたギミック満載のアプローチも
音楽的に消化出来ない不甲斐なさのせいで、妙ないびつさを感じさせるタイトルトラックに反して、スマートに「沢尻」を「音楽化」させたこの楽曲の見事さ!

彼女の「根性汚そう」で「冷たそう」で「ドライでクール」、
でも「YES、NOは人一倍言う」ケド「お膳立てがないと自分では殆ど何も出来ない女王様」
それでいてもちろん「文句なしの美人」。
そういった彼女のアイデンティティーの部分がキチンと一曲の中でカバーされているように見えるのです。
少なくとも「ちょっと、聞いてんの?!」の一言がまるで自発的な発言に聴こえるのは確たる証拠。

ドールのように無表情で、60′sでおしゃれに決めた彼女が飛び交うミュージックビデオの世界観ともリンク!
プライベートでも、この手の音がかかる夜の街で遊んじゃってたんだろうし、
やらされてる臭さが一切ないのは、もうそれだけでホンモノでしょう!

今更ながらコレをA面に持ってこなかったディレクションサイドのセンスのなさには、
腹立たしい限り!もちろんこの一曲を制作してくれただけでも感謝の域だけども。

つづく同年11月の2nd「Destination Nowhere」も冴えないんですが、
これまたカップリング収録の「ESCAPE」がクールかつアップリフティングなハウスチューンに仕上がっています。
アレンジを手がけた黒坂修平氏は、DAISHI DANCEなどとも同じレーベルに所属するPAX JAPONICA GROOVEのメンバーだったんですね。


彼女のボーカルも何故だか表情豊かに感じますし、
とことん合ってますね、ERIKA×CLUB MUSICってば!!

同じく本作収録の「FREE」のOverrocketによるリミックスヴァージョンもオリジナルより全然いいじゃんっ!


例の事件によってそのまま立ち消えになってしまった、彼女の第一期歌手活動でしたが、
こうして紐解いて行くと、実に彼女のコアな固定ファンよりは寧ろ、
そうでもない音楽ファンの反応こそ得られそうなクオリティーがよりにもよって大方固定ファンの耳にしか届かないカップリング扱いだったと言うのは、不甲斐ないばかりという感じで
セールス的に悪くない成果ながらも、結果的に届いて欲しい人に届かず
真っ当な評価を得られないという敗北を背負った訳だったのですが。。。


しかしそんなトコロに甘んじて、黙ってるタマではなかった訳です、彼女。
再び「ERIKA」として、この2010年5月歌手活動を突如再開させたのでした。
しかもSTUDIO APARTMENTを客演にむかえた、
カップリングの諸作に置ける路線をより完成形へと引き上げるアプローチ!
「な〜んだ、本人自身もホントはこの路線が良かったんじゃん」という安堵。

サウンド的にもSAらしい、あえての生音感が最高に気持ちいい「らしい」アプローチ。
彼女の線が細いながらも妙に前に迫る、それでいて丸みのあるキュートなボーカルとも相性ばっちり!
ついでにコレを無料配信してくれちゃう懐の深さにも拍手!

「Girls Award」でのステージは、口パクやら尻出しやら下世話な話題で盛り上がりましたが
個人的にはそれ以前に、衣装のどうにも焦点がしぼれてない感じが気にかかる。。
早い話がどうしてもLADY GAGAと比較されて当たり前のこの時期に、この中途半端さは痛い。
この楽曲のすばらしさが過不足無く伝わるような、パフォーマンスの練りももうちょっと必要だったかも。

まあ、そんなのはどうでもいいケド、歌手ERIKAが、最も待ち望んだベストな形で戻って来てくれたコトに感謝しつつ、
その内でいいからアルバムとか是非聴きたい!

スキャンダラスなお姿をメディアに晒して、我々を楽しませてくれる彼女も好きだケド
そろそろ本気で、音楽活動に置ける彼女の活躍を期待してみてもいいでしょっ?





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