2010年6月18日金曜日

アイドル評論(23)IMALUコンプレックス


「親の七光り」を最大限に利用したその場限りの大活躍を見せる訳でもなく、
ご両親のイメージとあえて距離を置くでもなく、
微妙な立ち位置でその存在をアウトプットし、言わばひっそりと躍進するIMALUちゃん。
個人的にはタレントとしては妙に好感の持てる彼女なんですが、
勝負シングル「Uh Uh」によって、シンガーとしても
今まさに花開こうとしているこの瞬間に立ち会える喜びを、
軽いタッチで語ってみようかと思います!


デビュー曲「Mashed potato」が、言ってみりゃ木村カエラあたりをビジネスモデルとしたような、キャッチーでガーリーなポップロック路線。
2ndが、命名した両親への反発か?と戸惑わせるような、あざといタイトルが冴えたミディアム「そんな名前 欲しくないよ」、と。音楽的ジャンルはもちろん歌唱法に至るまで
一貫したスタンスを貫かないアクションの数々に寄って、今持っても彼女自身の個性というのはなかなかに見えずらい印象。
もっと言えば、技術的に「歌えてる」のかもどうかもわからないぐらい。

でも、2ndで感じた、まるで泣きじゃくるようなボーカルはなんだか気に入っちゃったり、
とるに足らない恋愛模様を描いた彼女自身に寄る歌詞も
こねくり回し過ぎて一周した結果、単純明快の等身大な目線にも思える、妙なセンスの良さ。
そのあたりはすでに、注目すべきポイントとしてチェックかけてました。


特に声質に関しては、所謂ロリータボイスなんだケド、なんかクールな手触りもあって
彼女の半生に裏打ちされたモノなのかもと、勝手に妄想してたりしたんですが!

そんな塩梅で、自分の中ではあえて気になりはしないケド、ちょっと注目しちゃう
ようなそんな存在へと早くもステップアップしていました。

そう、そんなタイミングでした。


リュックベッソン監督作「アーサーと魔王マルタザールの逆襲」の主題歌にもなっている、
3rd Single「Uh Uh」が思いのほか気に入ってしまいましたっ!
これまた前作までのスタイルとは見事に断絶した、エレクトロポップ路線。
流行ものに鞍替え?!という冷ややかな目線もなくはないですが、
昨今主流のバキバキと重苦しいテイストとは異なる、ソフトな手触り!
要所に挿入されるギターサウンドもスパイスになってて、良いし。

彼女のキュートな声との相性も、もしかしたらコレまででいちばんかも!

そしてなんと言っても注目すべきは、この可愛すぎるミュージックビデオ!
森の中を舞台に、IMALUと愉快な仲間たちが、ヴィヴィッドな世界観で
キッチュなダンスをかまします。
時折挿入される映画のシーンもマッチしているし、久しぶりにホントに見ているだけで思わず顔がほころぶ作品に出逢うコトが出来ました。


さて、本作含めこれまで3枚のシングルを発表して来たこの期間、
言わば「猶予」的にトライアルが許されて来た彼女もそろそろ真価を問われる時期に差し掛かって来ているでしょう。
僕としては、この4th以降もこの路線で突き進んで欲しいですねっ!

歌以外に活路を見出すとするならば、もうちょっと年齢言ったらドラマの脇役でいい味出しそうな雰囲気も感じるんですが。。
とりあえず今は、歌手IMALUに注目して行きたいと思います!

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