2010年4月30日金曜日

アイドル総力特集(1)孤高のアイドルサバイバー!後藤真希コンプレックス〜愛バカからSWEET BLACKまで!〜(最終回)


という訳でお送りして来た、後藤真希総力特集の最終章。
どこか業界臭い事情を感じつつも、実弟の事件と言うケガの功名を得て
彼女はまたしても奇跡の再生を遂げるのでした。



2007年10月、前述の事件によって他のハロプロ所属メンバーに
迷惑が掛かるコトや、音楽性の違いなどを理由に卒業を発表しました。
この時点では、今後の仕事のスケジュールや
事務所自体は移籍するのかなども含め多くは語られてはいませんでした。

ファン心理としては、ハロプロ〜アップフロントに対し
スキャンダルを利用した売り出しや話題作りが目立つ傾向を感じていました。
今回のコトは悲劇であっても結果的にコレをバネにして
なんらかのネクストアクションをして貰えるコトを期待していました。

また当時、ローティーンのタレントなども多く抱えていた
ハロプロに置いて後藤のセクシーなパフォーマンスは切ないぐらい浮いていたコトや
そしてその力量に応えうるバックアップが出来ない
チンケなディレクションサイドへの不満など、
後藤真希をこそ押すファンの皆様としては「移籍」も含めて
少しでも良い方向に、良い環境に彼女が行けるコトを少なからず
熱望しているというの傾向も事実で。

そんな期待に応えてなのかどうかはさておき、2008年6月に
「エイベックス」に移籍するコトが電撃的に発表されたのでした。



旧所属事務所のやる気の見えなさへの反発から移籍を待ち望んでいたファンには
まさに嬉しいビッグニュースでした!

この移籍に関しては業界臭いオトナの事情も見え隠れしますが
MAX松浦氏の「彼女の才能に無限の可能性を感じた」という
何とも誇らしくも当たり前の声明、そして
エイベックス株主限定ライブでのパフォーマンスと磨きのかかったルックスに
ここはちょっと期待をしてみるコトに決めた訳です。

早くも最初の成果が訪れたのは、8月のa-nationでした。
シューティングアクトとして出演した後藤真希の、
後期ハロプロ•セクシー時代の彼女をブラッシュアップしさらに
磨きをかけたような最強のパフォーマンスが!

 
未発表楽曲である「hear me」自体のクールさは勿論
ダンスのキレ、ルックス、歌唱、衣装、ダンサーの数まで!
ハロプロ時代とは比較するまでもない別格の進化を遂げていました!
彼女自身の力量の成長と、それに応えてくれる最強のブレーンを見つけられたようで
ほんっっとに嬉しい限り。

生憎のお天気ながら、それをも武器としステージの
クオリティーへと転化させるその強かさもナイス。
「そうよ!みんな、こういう後藤真希を見たかったんだよ!」
といった過不足ない着地を果たしました。

翌2009年、本格始動が待たれる中
新プロジェクト「SWEET BLACK」への参加が発表されました。
この「SWEET BLACK」、平たく言えば要は、
今を生きる20代女性をターゲットに、あらゆるメディアミックス展開を駆使し
様々なコンテンツで盛り上げつつ
メインとしては後藤真希の再始動を華やかに演出しようと言う企画
といった説明であながち間違いじゃないと思う塩梅で、
そこはやはりエイベックスらしい強かさとやり過ぎ感が鼻につきつつ、
それでもなお、新天地で再起を賭けサバイブする女子のリアルを図らずも
観測するコトが出来る機会にもなったのでした。


たとえばこの「Unrecorded〜好きなうたで生きていく」、
このプロジェクトに携わる中での彼女の成長を追っかけたネット限定の
ドキュメント映像で、
その都度近々に発表された配信限定シングルのメイキング部分を
多少オシャレ映像っぽく編集したような仕上がりなんですが
今まであまり語られなかった彼女の本音的な部分を垣間みるコトが出来て、
やはりそこは「こんなに立派になって!こんなに頑張ってるんだ!」っていう
老婆心も疼く疼くっ!

そうして苦難の末に、芸歴10年以上の新人としての名刺代わりであり
これからの後藤真希としての決意表明的なニュアンスを余すコトなく凝縮した
濃厚な移籍後1st MINI ALBUMが、(後藤真希名義ではないものの。。)
ついにリリースされました!


オレをして、もうこれ以上何を望もうというのかという程の
クオリティーを見せつけられた珠玉の作品集。
彼女という素材とエイベックスというアイデンティティーが
高いレベルで折衷できたからこそ生み出された、
そんな奇跡の一枚を徹底レビュー!


これまで 配信限定としてつつましやかに発表されてきた楽曲などを含め、
現行クラブサウンドに思いっきり照準を絞りまくったこの音楽的スタンスは
本来の彼女自身のルックス、ボーカリゼーション、リズム感覚、それらを同梱した上での
ポップスターとしての魅力をあらかじめ天才的に備えた資質を、
遺憾なく発揮させるには 十二分に正しいアプローチではないでしょうか?

つんく♂による「後藤真希」像とは、真逆的に異なる着地に、
ナンダカンダとは言っても、やっぱりあなどれないディレクション能力を発揮する
avexの本気度も嬉しい所。 楽曲的にもそんな武器をありったけ投入し、
このプロジェクトへの、そして後藤への期待や意気込みすら手に取るように感じられるというモノ。

とくに昨今トレンディーな、キラキラ☆エレクトロサウンドを全編にまぶしつつも、
聴きやすさ=キャッチーさをこそ最重要視したつくりに、さすがのavex印のグルーヴを感じつつ
レーベルがここ数年を入れてる「house nation」からの流れも多分にフィードバックされている様子。

毎回毎回、大掛かりなプロジェクトであればある程、
その痛々しいまでの“見誤り”が鼻につくレーベルではありますが
今回に限っては、このディレクションのナイス判断具合には素直に、拍手。

ここに収められた8曲は、いずれも劣らぬ個性を持ったバリエーションでありながら、
一貫して同じ温度で仕上げられてるかのように非常に纏まりの良さ、流れの良さを貫いています。

ハッキリ言って復帰第一弾でここまでのクオリティー出しちゃって大丈夫?!
っていうレベル。

どれもこれも自信を持ってお勧めできる、
ハイクオリティーダンスポップアンセムばかりですが
個人的は、遠慮がちなキラキラサウンドと、耳馴染みの良いスムースさが際立つ「Fly away」!


どことなく初々しさが広がる後藤のボーカルも、新たなスタートに対する若干の戸惑いや不安、
それに相対する希望みたいなモノを勝手に感じ、
全然意味わかんないケド勝手に泣きそうになっちゃたぐらい。

そして前述「Hear me」のフィックス版となる
「Mine with KEN THE 390」もなかなかに攻めたプロダクションで、
ひたすらにクール。

もちろん“ゴマキ”ではなく、“ごっちん”な彼女が好きな層へも
聴き応えバッチリのバラッド2曲を用意、という配慮。ここらへんも抜かりなし!



楽曲だけでなく映像面でも生まれ変わった後藤を思う存分エンジョイ出来るのが、
今回の最大トピック。
ハロプロ時代がお遊びに思える程、力の入ったミュージックビデオ作品が花ざかり!

モノクロかつ若干べた付いたような加工がなんともクールな映像美を醸し出し
スッピンメイクな後藤、ハードなメイクの後藤といった2人の彼女が交錯する、
なんとも意味ありげなクリエーションが興味深い、前述「Fly away」は勿論、
個人的ダントツのおすすめは、やはり「Lady-Rise」!


楽曲単体だとそこまでパッとしなかったんですが、映像みて大好きになりました。
ヘアメイク、ファッション、どこを切り取ってもアイデア勝負の良作ばかりです。

そんな訳でひとまず再出発の一手としては
パーフェクトすぎる成果をあげられたのではないでしょうか?
ある種の偏見ありきで、彼女を見ている人にこそ味わってほしい!
まじでミラクル起きてます!

そして、そんな後藤は、この SWEET BLACKプロジェクトと前後する形で
活発な客演でも名を馳せ始めます。

まずは、avexが創立20周年を記念し、
大沢伸一、Fantastic Plastic Machine、m-flo TAKUという四番打者を勢揃いさせたスペシャル企画で
後藤参加の「Golden Luv」はravex名義の2nd single
「Believe in LOVE feat.BoA」の及びalbum「trax」に収録されています。



意外にも上記SWEET BLACKを差し置いて参加CD作品としては
移籍後初となったのがこちらの方でした。
殆ど無邪気としか言いようがない(でも勿論職人3人による的確な音楽的計算の上で)
ボヨンボヨンっと高揚するサウンドが最高に気持ちよく、非常に弾けたファンキーな1曲!

ここでも注目は後藤真希の進化。センスにスキルが追いついてきた印象を受けました。
この強者三人衆をバックにしても全然余裕なぐらい。
これもまたフロア対応の良曲!



そしてDJ MAYUMIとのコラボ曲「CRAZY IN LOVE」なども!



こうして用意周到すぎるぐらいのプレデビュー、言わば「ホップ」「ステップ」として
十分すぎる成果をあげた彼女。
次こそ、後藤真希単独名義での「ジャンプ」をと、
今後の彼女の行く末に多大な期待を寄せていた最中でした。。


ほんとに、運命って残酷ですよね。。弟の事件の悲劇も醒めやらぬウチに。。。

後藤はそれ以来事実上活動休止状態となっていますが、
彼女の心の傷が一日も早く癒えるコト、
そして、一日も早く元気なパフォーマンスを見れる日を楽しみにしています。。

余談ですが、喪服姿ほんと素敵ですよね。凛としてると言うか。

不謹慎な言い方かもしれませんが、背負うモノが多ければ多い程
サバイブすればする程、彼女はアイドルとして孤高の存在へと
不死鳥の如き進化を見せてくれると信じています。


孤高のアイドル後藤真希の
サバイブという名の、険しくも輝かしい奇跡のストーリーは終わらないっ!




2010年4月28日水曜日

アイドル総力特集(1)孤高のアイドルサバイバー!後藤真希コンプレックス〜愛バカからSWEET BLACKまで!〜(第二回)


そんな彼女の「幸福な活動期間」に置ける奮闘はこうして当時の彼女のポテンシャルをトコトン投影した佳作アルバム「ペイント イット ゴールド」の完成度へと実を結ぶのです。

イチオシはやはりこちらでしょうか↓

このアルバムで幕をあけた2004年は「幸福な期間」延長戦と言うべきスタンスで
小粒ながら良作も見られます。
個人的に勝手に、失恋3部作と呼んでいる
「サヨナラのLOVE SONG」「横浜蜃気楼」「さよなら「友達にはなりたくないの」」
といったシングル群がその象徴でしょう。
なかでも、ソングライターとして意外な拾いモノと感じさせてくれた
シャ乱Q•たいせいによるコチラのナンバーは、ドラマチックなメロディーと丁寧なアレンジ、
またもや一皮剥けて来ていた後藤自身の歌唱が組み合わさって絶妙な完成度!

序盤の抑えたボーカルに対して、
後半にいくにつれて、取り乱していくような歌唱展開がなかなかおもしろい。


そしてそんな、失恋3部作を収めた2005年発表の3rd ALBUM「3rdステーション」にて
何を血迷ったのか、恐るべき実験的名曲が誕生するのです!!!!!
ちょっと軽く度肝ぬかれました、当時!!


コチラは、セクシー路線転換後のライブ「G-Emotion2」にて披露されたパフォーマンスですが
もうわかる人なら一目で分かるマドンナ「VOGUE」のオマージュも見所ですが、
やはりこの曲のキモはこの最高にキュートで最高エロティックな「ウィスパーヴォイス」でしょう!

シングル曲の凡庸さを思えばアルバム用の新曲で、どうしてまたこんなサプライズを!?
これもまたやはり当時のハロプロに置いて彼女しか成立させられない芸当だったでしょう。

前作のアルバムがコンセプチュアルにまとめ挙げれてたの対し
この3rdは、アルバム一枚としての完成度は前作から若干オチますが
ヴァリエーションに振り幅が面白く、実験要素も満載。

他にもニューロティカ参加の弾けたガールズロック「ポジティブ元気!」なども秀逸。


これらの実験は、そのまんま後藤にとっての「挑戦」だった訳で
たとえ、それが松浦〜ミキティ〜モーニングと同じラインでアイドルを応援しているだけの層に
首を傾げられても、白眼視されても、このなんとも言えない「やったるぜ」というような気迫は
彼女自身の飽くなき努力とトライアルの賜物、そしてそこからの自信のようなモノが際立っていて
はやくもこの時点で、後藤の孤軍奮闘=サバイブは始まっていたと見るコトもできるでしょう!

それと同時にこの時点では、そんな幸福期も終焉をむかえはじめ、
それがセールスはもちろん、世間の後藤に対する興味の低下という嘆かわしくもどうしようもない事情
だったというのが切なすぎる!こんなに頑張ってるのに!って。

個人的にはイヨイヨ、このあたりから他のアイドルからでは得難い何かを
後藤真希から感じ始め、世間の関心値と反比例するカタチで、彼女の世界に傾倒していきました。

そして、ひとまず彼女の1st STAGEは、
KAN作曲で恐ろしく地味ながら恐ろしく名曲なバラッド「スッピンと涙。」及び
短くも濃厚なソロワークスを総括した初のベストアルバム「後藤真希プレミアムベスト(1)」を持って
一応の一区切りを見せるのでした。


と、ココでさくっと1st STAGEの幕引きをしていれば良いものを。。。
。。。ホントは次のステージへの途中で、1枚、
ほんっとにとるに足らないどうでも良すぎる珍シングルがあって
ほんっとにコレは知らなくてもどうでもいいような作品なのでシカトしたい所なんですが
彼女の「迷走」「過渡期」を最も端的なまでにあらわしているナンバーでもある訳で
とりあえず押さえときましょう。


「今にきっと...In My LIFE」。。
この、なんににも掛かってない座りの悪いタイトルも
さるコトながら、作り手の「どうでもよさ」「手抜き」感が透けて見える程に
全く持って覇気のない、なにかいいものを作ろうと言う気概がいいさい感じられないこの事態に
当時は呆れ果てたモノです。。

しかもベスト盤をリリースした後の第一弾という非常に重要なアクションがこれというのは
彼女が当時、無意識的にであってもゾンザイに扱われていたコトの証明でしょう!

結果的にこのシングルは、ハロプロ在籍時中唯一のトップ10圏外と言う
なんとも情けない結果に!

またジャケットの唐突なメガネ姿や、歌詞のつまらなさも特筆すべき。
特に「資格とったり も一度学校いこうかな」とか、同年代への応援歌なら
完全にスベッてるし、
コレが後藤のその当時の立ち位置から逆算した「メタ」的な手法だとしても
シニカルさもないから、笑えないしっていう。

そもそも、後藤にそんなコト言わせんなよっ!って話。

こういうたとえばモーニングで言う所の「涙が止まらない放課後」に代表されるような
ハロプロの悪しき油断癖というのはホントに憎むべきモノ!!

この楽曲をあてがわれた当時の彼女を思うと、やりきれなくすらなります。。

それを踏まえさえすればコレ以降の活動に置ける路線がなんであっても
これよりはいいでしょう、という話にもなる訳です。

こうして、無駄な蛇足を踏まえた上で、第一期後藤ソロ活動に終止符を打つと共に
新たな航海へと舵をきり、再起をかけた新たなサバイブがスタートするのです!

それこそが賛否を巻き起こした「セクシーファッション+ダンスナンバー」、
いってみればいわゆるavex的な。。
もっと言ってみれば思いっきり倖田來未に挑戦状を叩き付ける過剰なまでのエロ路線。

最初は流行ものを強かに取り込んだだけのように、白い目で見ていた人も多かったようで
なおかつ倖田に比較するまでもなく同性のファンは少数な訳で
限られた男性ファン=ヲタに対し、ストリップ小屋さながらのパフォーマンスをしている
というのは端から見れば下世話だし、媚びてるようでかっこ悪いし
それをやってるのがあの後藤真希であるコトを加味すれば、
それはそれは突っ込みドコロも多いコトでしょう。

二番煎じと言われても仕方のないコトをやるというのは、やっぱりソレだけで随分なサバイブのハズ。

それでも個人的に思うのは、かっこ良ければいいじゃん!ってコト。

借りて来た猫的なモノではなく、ほんとに彼女の艶っぽいルックスに似合っている、
その振る舞いひとつひとつがあたかも彼女の中から自発的にアウトプットされてるような
その「こなれた」パフォーマンスがたまんなく様になってる。

彼女のまるで喉をこそ使うようなしなやかでエロティックな歌唱法にもフィット。

というかこちとら散々迷走ぶりを見せつけられた身。。
そしてそんな迷走と様々な試行錯誤を重ねた結果、
今彼女がいちばん輝けるポジションに辿り着けたコトが何よりも嬉しかったっ!

それほどまでに絵としての説得力が抜群。

ただし、当然そこで飛び出してきた楽曲が箸にも棒にもかからないような凡庸なモノなら
早々に、「後藤真希•命」のハチマキもほどく所。

でもそうじゃなかったからこそ!


まさに、彼女のターニングポイントと言える楽曲。
ただし「エキゾなDISCO」を知ってる層としては当然の、待望のこの流れといった着地。
無遠慮にエロいリリックとビートの聴いたダンスサウンドが痛快。アゲアゲでノリノリ!
いまやハロプロにかかせないアレンジャーのひとりとなったSHO-1こと平田祥一郎印のサウンドメイキングも
今回はどこか小森田実的なニュアンスも!

つやっぽいパフォーマンスに、ハロプロ史上初となる男性ダンサー参加、
ダンサーのなかには浜崎あゆみなどのライヴでもみかける顔もチラホラ。
つまり、送り手も本気で狙って来た。という所がまた嬉しい。

元モーニングでもなく、松浦の同僚でもなく、ハロプロという十把一絡げの氷山角の一角でもなく
「ソロアイドル•後藤真希」としてのベストなシフトというものをやっと
打ち出していく気になったと言うね、全くもって今更な話だケド、それでもありがたい。

そしてこの路線をよりエッジーかつキュートに押し進めた「SOME BOYS!TOUCH」
なにせ歌詞中に「乳房」出て来てますから!


豊満なバストと長い髪をおもっきり振り乱し、腰をグラインドし、
フロアに寝転がるパフォーマンス、さらにゲイファッションのダンサーと
なんだかよくわからないコトにもなってますが、トータルでもの凄い迫力!
それでいてナンセンス。これもまたハロプロらしさという武器かと。
そして、コレラ2作のダンスナンバーとは打って変わったバラッド路線でも
必要以上に湿り気を帯びた粘着形で味わい深い、「シークレット。」が続き、
3rdからおよそ2年半ぶりとなったアルバム「How to use SEXY」の充実ぶりへと繋がります。
このなかでも聴き所はやはり、AKIRA印な軽快ファンク「WOW!未来」あたり。

ちなみにこの頃の彼女、ライブパフォーマンスに置いてもただごとじゃない
評判を巻き起こしていました。
もともと初のソロツアーの時に既にパフォーマーとしての評価も確立していた彼女ですが
日頃のサバイブの成果か、さらに一段と磨きがかかりまくっていました。

その当時の最良の資料と言えるのがDVD「G-Emotion II」ではないでしょうか?



もともと、彼女の勇姿はハロプロライブでしかチェックしてない
不勉強者でだったんですが
それらに比較するまでもなく、いつの間にかこんなに成長してたの!?聞いてない!!
ってな戸惑いを隠せないながらも、
そのエンターティナーとしてのモノホンの資質は表情1つからも見てとれる訳で、
戸惑いはワクワクに変わるばかり。

そのパフォーマンスでの力量は客の乗せ方含め天才的な物がありましたが、
「ガラパン」以降のセクシー要素全開のパフォーマンスに特化したアダルト仕様にシフトチェンジされ
迫力も格段に増しました。
男性ダンサーの「How to use Loliness」に置ける
SMファッションもやり過ぎてて、良い!
恐怖に顔を歪ませる後藤が担がれていく場面なんて結構な緊張感だし。


そのほかアンコールにて披露された「愛バカ」リアレンジもかなり力の入った仕上がりだったり
ラスト「涙の星」での涙など、見所たっぷり。

複雑で多面的と表される彼女のキャラクターなんですが、
それをガッツリ体感できるライブとなっているのではないでしょうか?

こうして、賛否を巻き起こしつつ始まったセクシー路線という名の彼女の新たなサバイブも
この名盤アルバム及びライヴを持って早くも、到達感を感じさせました。

これ以降の活動が楽しみで仕方がないのと同時に、
これ以上のものを期待出来るのだろうかという
戸惑いも少なからずありました。。。

そんななか、彼女は実弟の逮捕という大事件をきっかけに、+方向性の違いを理由に
突如としてハロー!プロジェクトを脱退してしまったのです。
ホントのとこ、方向性云々の部分のがデカイ気はしますが。。

こうして古巣を離れ、いよいよホントのサバイブが始まっていくのでした!

つづく





アイドル総力特集(1)孤高のアイドルサバイバー!後藤真希コンプレックス〜愛バカからSWEET BLACKまで!〜(第一回)



特定のアイドルが好き!というよりは寧ろ「アイドル文化」そのものが好きなタイプの自分が
それでもなお、別格の存在と言えばやはりハロプロであり、モーニングであると!
それらの魅力は追々語るとして、
その中でもさらにダントツに別格としているのが、何を隠そうこの後藤真希なのでっす。

モーニングの歴代の全メンバー、勿論愛情の度合いはあっても
どこかそんなモノすら超越した「愛着」みたいなモノは
もうそれこそ第1期のオリジナルメンバーから〜果ては8期のリンリン•ジュンジュンに至るまで
ある訳なんですが、その中に置いてやはり特別な存在が後藤真希であり
そう言った意味で、どこが好きなのか全て語るのも容易ではなさそうなんですが

こうして何かのタイミングでブログを初めたコトだし、
多いに論じてみるのはいいかな〜そうは言っても簡潔に纏めるのも難しいぐらいの素材!

評論とは別に、総力特集として会をまたいで、徹底的にまさに総力特集してみようかと思いマッス!
頼まれもしないのに、ね!


99年9月、モーニング娘。の唯一の第3期メンバーとして加入し、
モーニングの代表曲であり大ヒット曲となり、さらに当時の世紀末日本をも代表する
モンスターシングルとなった「LOVEマシーン」をデビュー曲とし、
後藤はこのショービズ界への船出を華々しくスタートさせて以来、
マザーシップ•モーニングは勿論、プッチモニやシャッフルユニットなど
その天才的に備わったアイドルとしてのスキルを持ってして、あらゆる場面で
センター、メインボーカルとして、その存在価値を十二分に世間へとアピールして行きました。

プロデューサー心を絶妙にくすぐる独自の声質は「素材としての面白さ」を感じさせ、
また美少女でありながら、古い例えで言えば山口百恵〜中森明菜的な、
「ワケアリ不良少女」的な尖った要素も、どこか人を惹き付けてやまないものがあり
それでいてどこかアーバンという、当時の芋煮のようなハローの面々の中では確実に浮き上がる
クオリティーのルックスだったコトも、「1番人気」になるには不可欠なモノだったでしょう。

そういった意味では何よりタイミングが良かったというのもあるでしょう。

入ったグループがあのタイミングのモーニングじゃなかったら、どうなっていたかは。。

そうして半ば強引にあっても、モーニングに、そしてアイドル文化にすら黄金期をもたらした
最重要人物としてこの後数年「ありがたがられる」アイドルとして大躍進していきます。

しかし、意外にも、一気に勝負を賭けたソロデビュー曲「愛のバカやろう」によって早くも
アイドル•後藤にひとつの答えが出てしまうのです。。。
というか寧ろ答えが出ないままのソロデビューというか。。


この「愛バカ」、当時の「ゴマキ効果」によって、ビッグヒットを飛ばし
渡辺満里奈が持っていた、オリコンチャート第一位獲得最年少記録を更新すると共に
ハロプロに置いても、あの松浦でさえ叶わなかった首位獲得をまんまとやってのけたという
後から思えば非常に華々しい限りなんですが、
ただしこの楽曲に込められるべきだった
コレからハッキリとヴィジョンを打ち出していかないと行けなかったハズの
過不足ない「後藤真希」像というモノの、致命的な「ズレ」が
結果的に後々のソロ•後藤の道のりの雲行きを怪しくさせ続ける敗因になったというのは
この華やかな記録を思えば全く皮肉な話!

けして楽曲としては嫌いぢゃないし、ハロプロ黄金期のクラシックとして
それなりの強度を未だに誇ってるナンバーだと評価してますが、それでも改めて思う所は
あれだけメディアに愛され出まくって、時代と寝かけた
アイドルに興味のない層にすら、的確にではないながらも
それなりにキャラクターが認知されていたであろう「後藤真希」という素材に対して
送り手の託したモノが所謂「つんく的」と言って過言じゃない
「演歌的世界観を生きる待つ女」というアプローチは、どう考えてもミスマッチ。
そりゃあ、後藤が、実際どんな恋愛をしてるかなんてのは当然知らないケド
こんな「受け身」に徹するようなそんな穏当なキャラじゃないでしょっ?!っていう。

それでいて後年「ZYX」や「あぁ!」で試みる、
「その言葉の意味すら知らない少女世代にオトナの恋愛を歌わせる」という前衛的な
背徳つんくプレイのレベルにも行ってなく
結果的に中途半端なやらされた感が残るばかり。

あと蛇足を承知で付け加えると。。
松浦のデビュー曲での、少女の初恋に対するときめき。
なっちソロデビュー曲に置ける虚無感や懐古を内包した上での再スタートへの決意。
歌い手のキャラや状況との関連性っていうのは、アイドルソングとして非常に重要な要素のはず!
そしてつんくはそれをキチンとやってこれてたはずなのに。。

後藤が持つクールなキャラクターとのリンクもなくなないケド、なんかギミックにも
しきれてない気まずさばかりが強調されてるようなイヤ〜なムード。

華々しい満をじしてのソロデビュー作としてはため息が出るばかり!

軍団の中でこそ活かされるスター性や、プッチモニのドタバタ感を通して
垣間見せる10代ギャルの本音=リアリティ。
そういうモノの方がよっぽど彼女のキャラが際立って見える。

この複雑な素材の調理の仕方をこの時点で見いだせなかった、この本当の「答え」が出るまで
がんばれなかったディレクション•プロデュースサイドの不甲斐なさこそが
後々のソロ活動に影響を与えるという。。

続く2ndシングルでは、「オトナ路線」をより押し進め、R&B畑からAKIRAが参加した
「本格的」アプローチ。
この後数年つんくが捕われていく「本格的」「国際水準的」なブラックサウンド路線。
捕われるあまり、パクリ疑惑も指摘されたりもしましたねぇ。。


個人的に今思うと、ハロプロに置ける「BoA」や「Crystal Kay」的な
若しくはアクターズスクール的な存在へと育てたかった形跡も感じ取ってしまったりするんですが
好くなくともこの手の歌詞の世界観じゃ到底キビシいでしょう。。

ただし、後述のセクシー路線時代ライブで披露された際
年齢も追いついたのか、この当時のヘンな気まずさはなく
素直にカッコいいパフォーマンスになっていて超感心!


その後も、楽曲としての完成度として悪くない〜良いものも含めつつも
最も重要な「後藤がやる意味」が蔑ろにされたシングルばかりがきられていきます。。
とくに特筆すべきは結局なにをどうしたくてこうなったのかもわからない
後藤最大の黒歴史「サントワマミー
」のカバーあたりでしょうか。。

ハロプロに望めないコトはわかりつつも、
ジャケットのアートワークやミュージックビデオのクオリティーなんかにも、
なんだかな〜ってなのも多いコトや。。
紅白初出演が「杏里」だったり、彼女が迷走しているコトが手に取るようにわかる期間でしょう。

ただし、それと前後するカタチで彼女の最初のピーク期=最も幸福な期間というモノがあったのも事実で
それというのもやはり「うわさのSEXY GUY」「スクランブル」「抱いてよ! PLEASE GO ON」といった
強力シングルが矢継早にドロップされた2003年あたりかと!


この曲がソロデビュー作だったらどんっなに華々しかっただろうかっ!っていうぐらい
ハッキリ言って、後藤ソロ史上3本指に入る傑作!
オールドスクール感漂う007なサウンドメイキングに、ハロプロらしい夜の匂いをブレンドした
絶妙な下世話さが最高にクールでありながらとにかくド派手なギラギラ感を形成。
これがまた当時の彼女の存在感にぴったり。

また歌詞のテイストも珍しく、ギミック臭くない塩梅で
後藤の複雑なキャラクターにマッチ梅。
下町な生意気な小娘でありながら、今時のギャル的な強度も備わった「女王様」予備軍的な
資質にかなり添ってる当時の彼女のキャラから逆算するとこの感じは個人的にベスト解釈。
少なくとも「DRYに抱きしめて」これが過不足ない説得力を持って言ってのけれたのは、
当時のハロプロの中でも彼女だけでしょうよ。


続くスクランブルは打って変わった、「スクランブル」はなんとも爽やか♪
「みずみずしさ」に満ちていて、ナチュラルでポジティブ。
OL的な日常描写をキュートな視点で綴ってるような歌詞も好感度高し!
「明るい後藤真希」路線もキチンと彼女の等身大に沿えばちゃんと良いものが出来る!
というコトを立証してみせた例外中の例外!
アレンジもストリングス散りばめの、ゴージャスなキラキラ感。


そしておそらく後の「セクシー+ダンス」路線への最も重要な布石となった重要作である
コチラも「攻め」のサウンドプロダクションと、
一周して普通にカッコいいラップバッチリが決まってるコトも功を奏して
彼女自身、最初の到達点だったのでは?


。。。そんな後藤の幸福な期間も長くは続かず、
いよいよ「ひとり冬の時代」をサバイブし続けるコトを強いられ始めるのでした。。

つづく