アイドル評論（2）Perfumeコンプレックス

奇才•中田ヤスタカの変態的なまでに徹底した品質管理と、アイコンであるお３人の超強力なアイドル的才能と抜群にキュートなキャラ、そして芸術の域にすら届きそうなパフォーマンスを持って疑いようもなく2010年現在の女性アイドルシーンのトップに君臨するPerfume、

一年ぶりに届けられたニューソングを、余計なお世話は百も承知で徹底レビュー！

愛とほんのちょっとの毒アリ☆

本作、ナチュラルと不自然の対比という如何にも話題力の強い新鮮な試みながら、

やはり底辺に流れるのは

perfume＝中田ヤスタカに誰しもが求め得る圧倒的な様式美。
言わば、好きでいて間違いなかった的な類いの感情。

そしてどこかディテールの一カ所に配置される、真新しいフレッシュな要素にこそファンを一喜一憂させる
殆どSMプレイにも似た、音楽的奉仕。だからこそ病み付きに、トリコになるんだと
あたかも戦略的なのかのように仕掛けられ、繰り広げられ続ける一手一手にしびれまっす！

だからこそ、パッと聴きの印象としての大方予想以上に予想通りな手触りは
絶対的にキープしなきゃ行けないプレッシャーを常に魔球で応え続ける体力、気力に感心するバカリ！
だってPerfumeの音楽それ自体に飽きる日が来るなんて思えないもの、みんな。

本作に置いても、サウンドに関しては目新しさはなく、Perfumeに求められるみたいなモノを
過不足なく供給している部分に、下手な冒険でだめになった過去の事例を思えば賢すぎる。
賢すぎて面白みもないぐらい。
けれども個人的にフックになったのは、メロディー。
いつになくドラマチックでタイトに仕上げたメロディーラインはキャッチーでありながら、さすがのエッジ。
旋律だけをごっそり他のアレンジャーに預けても面白くなりそなぐらい、キャッチー。
ystkワークスで言えば、MEGやアミーゴ寄りかなぁ。

ただ、ふと感じたのは、徐々に歌詞が退屈になりつつある気配も。。

対クラブミュージック的な扱いで、相応の場面での聴き方をするなら、いちいちこんなケチも言ってないケド
Perfumeを形成するディテールのひとつに言葉があると感じる自分みたいな人としては、
ちょっとだけ引っかかりましたねぇ。。まぁ、贅沢な話。

PVも全体的に、いい具合に不自然で、そこに、早回しとかじゃなくナチュラル撮りのリップシンクは新鮮。
隙間なく埋め尽くしすぎない、その「ほころび」にこそ萌えるアイドルファンとしてはすごくナイス。
ちなみに衣装の微妙な赤とパワーショルダー、あーちゃんの内巻きは最高！

一方、バキバキ感を排除した、文字通りナチュラルなCMタイアップナンバーは
ナチュラルすぎて、逆に不自然＝彼女たち的には非常に新しい、巧みなアプローチ！

しつこいぐらいに繰り返されるナチュラルなメロディーが、超ナチュラル。
こっちの方も「不自然」同様、退屈めなリリックでありながら、この場面では若干肩の力を抜いてる印象が大正解。

だからこそ、わかりやすくコントラストを強調したいのなら「不自然」ももっと全然、
不自然な世界観の歌詞でいいんじゃ？っていのは素人考え？

ただなんでもかんでも有り難がってはいけないのかもっていのうは今回感じましたね。

こちらのPVも傑作。最後の「オチ」も好き。まさにナチュラルでビューティーで、ベーシックな仕上がり。

あと、「ナチュラル」を単独A面にするぐらいの挑戦はあっても良かったかな。

色々とナマ繰り広げましたケドも、総合的には、この圧倒的構築美で、もはや巨大な箱庭とすら見えてた世界観に
そこそこの広がりを示せたという意味で、後から非常に重要な意味を持つシングルになるのではないでしょうか？

ゴチャゴチャ言ってごめんなさい？愛してるからこそっ！