2010年4月21日水曜日

アイドル評論(7)タンポポコンプレックス

オールドスクールなうきうきサウンド
(ブリティッシュやモータウンちっく)
+共感装置に見せかけたファンタジー性、
そしてそれらを孕んだ上での、
乙女ティックとしか言いようのないグルーヴがここにっ!

奇跡の名曲「恋をしちゃいました!」大特集!


このハロプロ黄金期当時、きちんとそのグループとしての
カラーというのを音楽性含め、
そして歌い手の顔触れ自身の資質にもきちんと沿わした
打ち出しというものが
的確にディレクションされてた印象があります。

そんな見事な着地のさせ方こそが
ハロプロの魅力でもあったように思います。
少なくとも当時は。。

そんな長所が最も顕著に現れてるのが、
これら第2期タンポポの諸作かと!
そしてアイドルポップスというカテゴリーに置いても
これだけ一貫したクオリティを持って
コンセプトを全うし世界観を守ったグループという意味でも
もっと有り難がられるべき存在なのでは?

彼女らが残した3作のシングルはいずれ劣らぬ強度ながら
胸キュン力で言えば、
本作はベストオブベスト、 少なくとも個人的には!

痛快なモータウンサウンドを散りばめられたトラックの上には、
乙女資質全開のメンバー達が
あたかも自発的に語ってるかのようにすら錯覚出来る、
超乙女モードな日常描写。
大恋愛物語なんかじゃなく、デートのときめきそれ自体で
一曲になっちゃうコト自体、
奇跡な気もするし。

一歩間違えれば単なるギミックで終わっちゃう危険性もあるなか、
あらゆる要素が、ファンタジーにギリのリアリティ
=説得力を持たせているとこは見事。
(今後そのベクトルは初期松浦に受け継がれたと見るコトも出来るかも!)

まぁ、あーだこーだ述べましたが、この曲の何がすごいって、
こんなにも「陽性」なのに…こんなにもミもフタもない、
乙女の胸キュン描写なのに…
吃驚するぐらい胸が締め付けられる!まんまとやられた。

これがまさに「恋をしちゃいました!」って?

ピュアさも度が過ぎれば、「切なさ」にさえ
変換されるっていうミラクルは
アイドルソングだからこその物!

そしてそここそが、アイドルポップスとして
王道と言えるのではないでしょうか☆

• • • そしてそんなココでの奇跡は、文脈的にキッチリ
第三期タンポポへと受け継がれていくコトになるのでしたっ!


「BE HAPPY 恋のやじろべえ」♪♪♪

余談ですが。あのしょこたんもハロプロで最も
好きなナンバーとしているそうです!

記憶してる方も多いでしょうが、通称ハロマゲドンと言う名の
あの悲劇を挟んでのリリースでした。
結果的には大した成果も挙げられず、気まぐれ人事に
腹を立てるのも嫌になる程の悪夢でしたが今となってはみれば
「怪我の功名」じゃ生易しすぎる表現かも知れないケド
それでもそんな悪夢の裏返しにささやかなあだ花として、
第3期タンポポの最初で最後のシングル。
これをありがたがるしか自分を納得させる方法ナシ!
なのが実情だケド。。

しかしこれがまた非常に秀逸な乙女ポップ!

R&B的表情を若干漂わせる今時チックな
DJ DRAGONによる軽快ビートに、
第2期タンポポをきちんと受け継いだ、イモ過ぎて逆にアーバンですらある
「Lovely」要素をナイス塩梅で融合させた仕上がり。
ハロマゲドン計画のベースに少なからず、
古き良き物を踏まえ新しいステージへ!という
ポジティブな意味合いがあったのかもという妄想を踏まえると、
それはきちんと音楽のなかで非常にネクストレベルで消化できている。

実はこれを第3期タンポポ独自のカラーとして
コンスタントな活動を続けてくれれば
纏まった評価につながっていた筈。


そして今作で最も評価すべき点は、やはり間違いなく
そのキュートなラップ♪
面食らうぐらいに、底抜けに明るくすっとんきょうなライムが一巡して
「とびきりカワユイ」に着地させちゃっていて、
スキルがなくとも「グルーヴ」さえあれば「聴ける!」という、
ある意味乱暴ながら、
ハロプロ音楽の、そして「音楽」の醍醐味を図らずも
物語っている訳なのです。

たった一曲ではありますが、
第三期タンポポの魅力を十二分に詰め込んだアンセム、愛してください。

• • • そしてそれは、また時を経て、微妙にカタチを変え
タンポポ♯」に受け継がれていくと言う。。


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