2010年4月28日水曜日

アイドル総力特集(1)孤高のアイドルサバイバー!後藤真希コンプレックス〜愛バカからSWEET BLACKまで!〜(第一回)



特定のアイドルが好き!というよりは寧ろ「アイドル文化」そのものが好きなタイプの自分が
それでもなお、別格の存在と言えばやはりハロプロであり、モーニングであると!
それらの魅力は追々語るとして、
その中でもさらにダントツに別格としているのが、何を隠そうこの後藤真希なのでっす。

モーニングの歴代の全メンバー、勿論愛情の度合いはあっても
どこかそんなモノすら超越した「愛着」みたいなモノは
もうそれこそ第1期のオリジナルメンバーから〜果ては8期のリンリン•ジュンジュンに至るまで
ある訳なんですが、その中に置いてやはり特別な存在が後藤真希であり
そう言った意味で、どこが好きなのか全て語るのも容易ではなさそうなんですが

こうして何かのタイミングでブログを初めたコトだし、
多いに論じてみるのはいいかな〜そうは言っても簡潔に纏めるのも難しいぐらいの素材!

評論とは別に、総力特集として会をまたいで、徹底的にまさに総力特集してみようかと思いマッス!
頼まれもしないのに、ね!


99年9月、モーニング娘。の唯一の第3期メンバーとして加入し、
モーニングの代表曲であり大ヒット曲となり、さらに当時の世紀末日本をも代表する
モンスターシングルとなった「LOVEマシーン」をデビュー曲とし、
後藤はこのショービズ界への船出を華々しくスタートさせて以来、
マザーシップ•モーニングは勿論、プッチモニやシャッフルユニットなど
その天才的に備わったアイドルとしてのスキルを持ってして、あらゆる場面で
センター、メインボーカルとして、その存在価値を十二分に世間へとアピールして行きました。

プロデューサー心を絶妙にくすぐる独自の声質は「素材としての面白さ」を感じさせ、
また美少女でありながら、古い例えで言えば山口百恵〜中森明菜的な、
「ワケアリ不良少女」的な尖った要素も、どこか人を惹き付けてやまないものがあり
それでいてどこかアーバンという、当時の芋煮のようなハローの面々の中では確実に浮き上がる
クオリティーのルックスだったコトも、「1番人気」になるには不可欠なモノだったでしょう。

そういった意味では何よりタイミングが良かったというのもあるでしょう。

入ったグループがあのタイミングのモーニングじゃなかったら、どうなっていたかは。。

そうして半ば強引にあっても、モーニングに、そしてアイドル文化にすら黄金期をもたらした
最重要人物としてこの後数年「ありがたがられる」アイドルとして大躍進していきます。

しかし、意外にも、一気に勝負を賭けたソロデビュー曲「愛のバカやろう」によって早くも
アイドル•後藤にひとつの答えが出てしまうのです。。。
というか寧ろ答えが出ないままのソロデビューというか。。


この「愛バカ」、当時の「ゴマキ効果」によって、ビッグヒットを飛ばし
渡辺満里奈が持っていた、オリコンチャート第一位獲得最年少記録を更新すると共に
ハロプロに置いても、あの松浦でさえ叶わなかった首位獲得をまんまとやってのけたという
後から思えば非常に華々しい限りなんですが、
ただしこの楽曲に込められるべきだった
コレからハッキリとヴィジョンを打ち出していかないと行けなかったハズの
過不足ない「後藤真希」像というモノの、致命的な「ズレ」が
結果的に後々のソロ•後藤の道のりの雲行きを怪しくさせ続ける敗因になったというのは
この華やかな記録を思えば全く皮肉な話!

けして楽曲としては嫌いぢゃないし、ハロプロ黄金期のクラシックとして
それなりの強度を未だに誇ってるナンバーだと評価してますが、それでも改めて思う所は
あれだけメディアに愛され出まくって、時代と寝かけた
アイドルに興味のない層にすら、的確にではないながらも
それなりにキャラクターが認知されていたであろう「後藤真希」という素材に対して
送り手の託したモノが所謂「つんく的」と言って過言じゃない
「演歌的世界観を生きる待つ女」というアプローチは、どう考えてもミスマッチ。
そりゃあ、後藤が、実際どんな恋愛をしてるかなんてのは当然知らないケド
こんな「受け身」に徹するようなそんな穏当なキャラじゃないでしょっ?!っていう。

それでいて後年「ZYX」や「あぁ!」で試みる、
「その言葉の意味すら知らない少女世代にオトナの恋愛を歌わせる」という前衛的な
背徳つんくプレイのレベルにも行ってなく
結果的に中途半端なやらされた感が残るばかり。

あと蛇足を承知で付け加えると。。
松浦のデビュー曲での、少女の初恋に対するときめき。
なっちソロデビュー曲に置ける虚無感や懐古を内包した上での再スタートへの決意。
歌い手のキャラや状況との関連性っていうのは、アイドルソングとして非常に重要な要素のはず!
そしてつんくはそれをキチンとやってこれてたはずなのに。。

後藤が持つクールなキャラクターとのリンクもなくなないケド、なんかギミックにも
しきれてない気まずさばかりが強調されてるようなイヤ〜なムード。

華々しい満をじしてのソロデビュー作としてはため息が出るばかり!

軍団の中でこそ活かされるスター性や、プッチモニのドタバタ感を通して
垣間見せる10代ギャルの本音=リアリティ。
そういうモノの方がよっぽど彼女のキャラが際立って見える。

この複雑な素材の調理の仕方をこの時点で見いだせなかった、この本当の「答え」が出るまで
がんばれなかったディレクション•プロデュースサイドの不甲斐なさこそが
後々のソロ活動に影響を与えるという。。

続く2ndシングルでは、「オトナ路線」をより押し進め、R&B畑からAKIRAが参加した
「本格的」アプローチ。
この後数年つんくが捕われていく「本格的」「国際水準的」なブラックサウンド路線。
捕われるあまり、パクリ疑惑も指摘されたりもしましたねぇ。。


個人的に今思うと、ハロプロに置ける「BoA」や「Crystal Kay」的な
若しくはアクターズスクール的な存在へと育てたかった形跡も感じ取ってしまったりするんですが
好くなくともこの手の歌詞の世界観じゃ到底キビシいでしょう。。

ただし、後述のセクシー路線時代ライブで披露された際
年齢も追いついたのか、この当時のヘンな気まずさはなく
素直にカッコいいパフォーマンスになっていて超感心!


その後も、楽曲としての完成度として悪くない〜良いものも含めつつも
最も重要な「後藤がやる意味」が蔑ろにされたシングルばかりがきられていきます。。
とくに特筆すべきは結局なにをどうしたくてこうなったのかもわからない
後藤最大の黒歴史「サントワマミー
」のカバーあたりでしょうか。。

ハロプロに望めないコトはわかりつつも、
ジャケットのアートワークやミュージックビデオのクオリティーなんかにも、
なんだかな〜ってなのも多いコトや。。
紅白初出演が「杏里」だったり、彼女が迷走しているコトが手に取るようにわかる期間でしょう。

ただし、それと前後するカタチで彼女の最初のピーク期=最も幸福な期間というモノがあったのも事実で
それというのもやはり「うわさのSEXY GUY」「スクランブル」「抱いてよ! PLEASE GO ON」といった
強力シングルが矢継早にドロップされた2003年あたりかと!


この曲がソロデビュー作だったらどんっなに華々しかっただろうかっ!っていうぐらい
ハッキリ言って、後藤ソロ史上3本指に入る傑作!
オールドスクール感漂う007なサウンドメイキングに、ハロプロらしい夜の匂いをブレンドした
絶妙な下世話さが最高にクールでありながらとにかくド派手なギラギラ感を形成。
これがまた当時の彼女の存在感にぴったり。

また歌詞のテイストも珍しく、ギミック臭くない塩梅で
後藤の複雑なキャラクターにマッチ梅。
下町な生意気な小娘でありながら、今時のギャル的な強度も備わった「女王様」予備軍的な
資質にかなり添ってる当時の彼女のキャラから逆算するとこの感じは個人的にベスト解釈。
少なくとも「DRYに抱きしめて」これが過不足ない説得力を持って言ってのけれたのは、
当時のハロプロの中でも彼女だけでしょうよ。


続くスクランブルは打って変わった、「スクランブル」はなんとも爽やか♪
「みずみずしさ」に満ちていて、ナチュラルでポジティブ。
OL的な日常描写をキュートな視点で綴ってるような歌詞も好感度高し!
「明るい後藤真希」路線もキチンと彼女の等身大に沿えばちゃんと良いものが出来る!
というコトを立証してみせた例外中の例外!
アレンジもストリングス散りばめの、ゴージャスなキラキラ感。


そしておそらく後の「セクシー+ダンス」路線への最も重要な布石となった重要作である
コチラも「攻め」のサウンドプロダクションと、
一周して普通にカッコいいラップバッチリが決まってるコトも功を奏して
彼女自身、最初の到達点だったのでは?


。。。そんな後藤の幸福な期間も長くは続かず、
いよいよ「ひとり冬の時代」をサバイブし続けるコトを強いられ始めるのでした。。

つづく


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