2010年4月28日水曜日

アイドル総力特集(1)孤高のアイドルサバイバー!後藤真希コンプレックス〜愛バカからSWEET BLACKまで!〜(第二回)


そんな彼女の「幸福な活動期間」に置ける奮闘はこうして当時の彼女のポテンシャルをトコトン投影した佳作アルバム「ペイント イット ゴールド」の完成度へと実を結ぶのです。

イチオシはやはりこちらでしょうか↓

このアルバムで幕をあけた2004年は「幸福な期間」延長戦と言うべきスタンスで
小粒ながら良作も見られます。
個人的に勝手に、失恋3部作と呼んでいる
「サヨナラのLOVE SONG」「横浜蜃気楼」「さよなら「友達にはなりたくないの」」
といったシングル群がその象徴でしょう。
なかでも、ソングライターとして意外な拾いモノと感じさせてくれた
シャ乱Q•たいせいによるコチラのナンバーは、ドラマチックなメロディーと丁寧なアレンジ、
またもや一皮剥けて来ていた後藤自身の歌唱が組み合わさって絶妙な完成度!

序盤の抑えたボーカルに対して、
後半にいくにつれて、取り乱していくような歌唱展開がなかなかおもしろい。


そしてそんな、失恋3部作を収めた2005年発表の3rd ALBUM「3rdステーション」にて
何を血迷ったのか、恐るべき実験的名曲が誕生するのです!!!!!
ちょっと軽く度肝ぬかれました、当時!!


コチラは、セクシー路線転換後のライブ「G-Emotion2」にて披露されたパフォーマンスですが
もうわかる人なら一目で分かるマドンナ「VOGUE」のオマージュも見所ですが、
やはりこの曲のキモはこの最高にキュートで最高エロティックな「ウィスパーヴォイス」でしょう!

シングル曲の凡庸さを思えばアルバム用の新曲で、どうしてまたこんなサプライズを!?
これもまたやはり当時のハロプロに置いて彼女しか成立させられない芸当だったでしょう。

前作のアルバムがコンセプチュアルにまとめ挙げれてたの対し
この3rdは、アルバム一枚としての完成度は前作から若干オチますが
ヴァリエーションに振り幅が面白く、実験要素も満載。

他にもニューロティカ参加の弾けたガールズロック「ポジティブ元気!」なども秀逸。


これらの実験は、そのまんま後藤にとっての「挑戦」だった訳で
たとえ、それが松浦〜ミキティ〜モーニングと同じラインでアイドルを応援しているだけの層に
首を傾げられても、白眼視されても、このなんとも言えない「やったるぜ」というような気迫は
彼女自身の飽くなき努力とトライアルの賜物、そしてそこからの自信のようなモノが際立っていて
はやくもこの時点で、後藤の孤軍奮闘=サバイブは始まっていたと見るコトもできるでしょう!

それと同時にこの時点では、そんな幸福期も終焉をむかえはじめ、
それがセールスはもちろん、世間の後藤に対する興味の低下という嘆かわしくもどうしようもない事情
だったというのが切なすぎる!こんなに頑張ってるのに!って。

個人的にはイヨイヨ、このあたりから他のアイドルからでは得難い何かを
後藤真希から感じ始め、世間の関心値と反比例するカタチで、彼女の世界に傾倒していきました。

そして、ひとまず彼女の1st STAGEは、
KAN作曲で恐ろしく地味ながら恐ろしく名曲なバラッド「スッピンと涙。」及び
短くも濃厚なソロワークスを総括した初のベストアルバム「後藤真希プレミアムベスト(1)」を持って
一応の一区切りを見せるのでした。


と、ココでさくっと1st STAGEの幕引きをしていれば良いものを。。。
。。。ホントは次のステージへの途中で、1枚、
ほんっとにとるに足らないどうでも良すぎる珍シングルがあって
ほんっとにコレは知らなくてもどうでもいいような作品なのでシカトしたい所なんですが
彼女の「迷走」「過渡期」を最も端的なまでにあらわしているナンバーでもある訳で
とりあえず押さえときましょう。


「今にきっと...In My LIFE」。。
この、なんににも掛かってない座りの悪いタイトルも
さるコトながら、作り手の「どうでもよさ」「手抜き」感が透けて見える程に
全く持って覇気のない、なにかいいものを作ろうと言う気概がいいさい感じられないこの事態に
当時は呆れ果てたモノです。。

しかもベスト盤をリリースした後の第一弾という非常に重要なアクションがこれというのは
彼女が当時、無意識的にであってもゾンザイに扱われていたコトの証明でしょう!

結果的にこのシングルは、ハロプロ在籍時中唯一のトップ10圏外と言う
なんとも情けない結果に!

またジャケットの唐突なメガネ姿や、歌詞のつまらなさも特筆すべき。
特に「資格とったり も一度学校いこうかな」とか、同年代への応援歌なら
完全にスベッてるし、
コレが後藤のその当時の立ち位置から逆算した「メタ」的な手法だとしても
シニカルさもないから、笑えないしっていう。

そもそも、後藤にそんなコト言わせんなよっ!って話。

こういうたとえばモーニングで言う所の「涙が止まらない放課後」に代表されるような
ハロプロの悪しき油断癖というのはホントに憎むべきモノ!!

この楽曲をあてがわれた当時の彼女を思うと、やりきれなくすらなります。。

それを踏まえさえすればコレ以降の活動に置ける路線がなんであっても
これよりはいいでしょう、という話にもなる訳です。

こうして、無駄な蛇足を踏まえた上で、第一期後藤ソロ活動に終止符を打つと共に
新たな航海へと舵をきり、再起をかけた新たなサバイブがスタートするのです!

それこそが賛否を巻き起こした「セクシーファッション+ダンスナンバー」、
いってみればいわゆるavex的な。。
もっと言ってみれば思いっきり倖田來未に挑戦状を叩き付ける過剰なまでのエロ路線。

最初は流行ものを強かに取り込んだだけのように、白い目で見ていた人も多かったようで
なおかつ倖田に比較するまでもなく同性のファンは少数な訳で
限られた男性ファン=ヲタに対し、ストリップ小屋さながらのパフォーマンスをしている
というのは端から見れば下世話だし、媚びてるようでかっこ悪いし
それをやってるのがあの後藤真希であるコトを加味すれば、
それはそれは突っ込みドコロも多いコトでしょう。

二番煎じと言われても仕方のないコトをやるというのは、やっぱりソレだけで随分なサバイブのハズ。

それでも個人的に思うのは、かっこ良ければいいじゃん!ってコト。

借りて来た猫的なモノではなく、ほんとに彼女の艶っぽいルックスに似合っている、
その振る舞いひとつひとつがあたかも彼女の中から自発的にアウトプットされてるような
その「こなれた」パフォーマンスがたまんなく様になってる。

彼女のまるで喉をこそ使うようなしなやかでエロティックな歌唱法にもフィット。

というかこちとら散々迷走ぶりを見せつけられた身。。
そしてそんな迷走と様々な試行錯誤を重ねた結果、
今彼女がいちばん輝けるポジションに辿り着けたコトが何よりも嬉しかったっ!

それほどまでに絵としての説得力が抜群。

ただし、当然そこで飛び出してきた楽曲が箸にも棒にもかからないような凡庸なモノなら
早々に、「後藤真希•命」のハチマキもほどく所。

でもそうじゃなかったからこそ!


まさに、彼女のターニングポイントと言える楽曲。
ただし「エキゾなDISCO」を知ってる層としては当然の、待望のこの流れといった着地。
無遠慮にエロいリリックとビートの聴いたダンスサウンドが痛快。アゲアゲでノリノリ!
いまやハロプロにかかせないアレンジャーのひとりとなったSHO-1こと平田祥一郎印のサウンドメイキングも
今回はどこか小森田実的なニュアンスも!

つやっぽいパフォーマンスに、ハロプロ史上初となる男性ダンサー参加、
ダンサーのなかには浜崎あゆみなどのライヴでもみかける顔もチラホラ。
つまり、送り手も本気で狙って来た。という所がまた嬉しい。

元モーニングでもなく、松浦の同僚でもなく、ハロプロという十把一絡げの氷山角の一角でもなく
「ソロアイドル•後藤真希」としてのベストなシフトというものをやっと
打ち出していく気になったと言うね、全くもって今更な話だケド、それでもありがたい。

そしてこの路線をよりエッジーかつキュートに押し進めた「SOME BOYS!TOUCH」
なにせ歌詞中に「乳房」出て来てますから!


豊満なバストと長い髪をおもっきり振り乱し、腰をグラインドし、
フロアに寝転がるパフォーマンス、さらにゲイファッションのダンサーと
なんだかよくわからないコトにもなってますが、トータルでもの凄い迫力!
それでいてナンセンス。これもまたハロプロらしさという武器かと。
そして、コレラ2作のダンスナンバーとは打って変わったバラッド路線でも
必要以上に湿り気を帯びた粘着形で味わい深い、「シークレット。」が続き、
3rdからおよそ2年半ぶりとなったアルバム「How to use SEXY」の充実ぶりへと繋がります。
このなかでも聴き所はやはり、AKIRA印な軽快ファンク「WOW!未来」あたり。

ちなみにこの頃の彼女、ライブパフォーマンスに置いてもただごとじゃない
評判を巻き起こしていました。
もともと初のソロツアーの時に既にパフォーマーとしての評価も確立していた彼女ですが
日頃のサバイブの成果か、さらに一段と磨きがかかりまくっていました。

その当時の最良の資料と言えるのがDVD「G-Emotion II」ではないでしょうか?



もともと、彼女の勇姿はハロプロライブでしかチェックしてない
不勉強者でだったんですが
それらに比較するまでもなく、いつの間にかこんなに成長してたの!?聞いてない!!
ってな戸惑いを隠せないながらも、
そのエンターティナーとしてのモノホンの資質は表情1つからも見てとれる訳で、
戸惑いはワクワクに変わるばかり。

そのパフォーマンスでの力量は客の乗せ方含め天才的な物がありましたが、
「ガラパン」以降のセクシー要素全開のパフォーマンスに特化したアダルト仕様にシフトチェンジされ
迫力も格段に増しました。
男性ダンサーの「How to use Loliness」に置ける
SMファッションもやり過ぎてて、良い!
恐怖に顔を歪ませる後藤が担がれていく場面なんて結構な緊張感だし。


そのほかアンコールにて披露された「愛バカ」リアレンジもかなり力の入った仕上がりだったり
ラスト「涙の星」での涙など、見所たっぷり。

複雑で多面的と表される彼女のキャラクターなんですが、
それをガッツリ体感できるライブとなっているのではないでしょうか?

こうして、賛否を巻き起こしつつ始まったセクシー路線という名の彼女の新たなサバイブも
この名盤アルバム及びライヴを持って早くも、到達感を感じさせました。

これ以降の活動が楽しみで仕方がないのと同時に、
これ以上のものを期待出来るのだろうかという
戸惑いも少なからずありました。。。

そんななか、彼女は実弟の逮捕という大事件をきっかけに、+方向性の違いを理由に
突如としてハロー!プロジェクトを脱退してしまったのです。
ホントのとこ、方向性云々の部分のがデカイ気はしますが。。

こうして古巣を離れ、いよいよホントのサバイブが始まっていくのでした!

つづく





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